「憲法の定める自由権(特に精神的自由)について述べよ。」
日本国憲法は、国民に自由権や社会権を保障する基本的人権の規定を置いている。この基本的人権は、ヒューマニズムや個人主義に基づく個人の尊厳の思想、及び人は生まれながらにして自由かつ平等であるという近世自然法の思想に基づき成り立っている。基本的人権は「現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」(憲法第97条)と規定されている。また、「国民の不断の努力によってこれらが保持される必要がある」(憲法第12条前段)としている。しかし、基本的人権は最大限の尊重が必要であるが、制約される場合もある。例えば、社会全体の利益を害したり、他人の権利と衝突する場合である。
自由及び権利は「濫用してはならないのであって、常に公共の福祉(国民全体の利益)のためにこれを利用する責任を負ふ」(憲法第12条後段)と規定されている。自由権(自由権的基本権)とは、国民が考え方や活動について国家の介入を許さないという消極的な権利である。自由権を大別すると、精神的自由権、経済的自由権、人身の自由に分けられる。
〈精神的自由権〉...