日本の社会福祉の歴史的展開
1945年、広島と長崎に原爆が落とされ第二次世界大戦が終了した。我が国は、敗戦による連合国の占領下で連合国総司令部(GHQ)主導のもと、民主化と非軍事化を基本に戦後の社会福祉が進められていく事となった。当時の国内情勢は、食糧や住宅等、あらゆる生活物資が不足し、国民の日常生活の維持が困難な状況に加え、戦災孤児や浮浪者、戦地から戻った軍人や失業者など、生活能力を失った「国民総飢餓」状態となり、こうした膨大な貧困層の救済が急務とされていた。このような時代の中で、1946年、GHQにより、「社会救済に関する覚書」を発表し、日本政府に対して基本的な公的扶助の原則を示した。その...