はじめに
私たちが幼いころから当然のように読んできた「絵本」。おそらく、絵本が一冊もないという家庭は世界中を探してみてもほとんどないだろう。それほどありきたりとなっている絵本に、実はさまざまな奥深いことが凝縮されているということを、この「児童文学と心理学」の授業を通して知ることができた。
私は今回、その中の一つとして『昔話絵本を考える』(松岡享子著)で提起されている「昔話を絵本にすることは可能なのだろうか」という問いに、具体的に絵本をあげながら答えていこうと思う。
(1)問題提起
前出の著者は、昔話を絵本にするうえでの問題点・難点として、著作の中で大きく分けて4つの点をあげている。
?昔話を「聞く」ことと、絵本を「読む」ことにおける視点の違い。
?絵を見ることによる視覚以外の感覚のイメージの後退。
?絵によってどのように時間の経過を表現するのか。
?画家のイメージと読み手のイメージのすれ違い。
このうち、以下の各論では私が特に重要だと感じた?と?について述べていきたいと思う。
(2)上記の問題提起に対する各論
私は、昔話またはお話を絵本にする最大の目的は、あくまで読者(子供)がスムーズに話の中に入っていき、積極的に想像するためであると考える。
はじめに
私たちが幼いころから当然のように読んできた「絵本」。おそらく、絵本が一冊もないという家庭は世界中を探してみてもほとんどないだろう。それほどありきたりとなっている絵本に、実はさまざまな奥深いことが凝縮されているということを、この「児童文学と心理学」の授業を通して知ることができた。
私は今回、その中の一つとして『昔話絵本を考える』(松岡享子著)で提起されている「昔話を絵本にすることは可能なのだろうか」という問いに、具体的に絵本をあげながら答えていこうと思う。
(1)問題提起
前出の著者は、昔話を絵本にするうえでの問題点・難点として、著作の中で大きく分けて4つの点をあげている。
昔話を「聞く」ことと、絵本を「読む」ことにおける視点の違い。
絵を見ることによる視覚以外の感覚のイメージの後退。
絵によってどのように時間の経過を表現するのか。
画家のイメージと読み手のイメージのすれ違い。
このうち、以下の各論では私が特に重要だと感じた①と②について述べていきたいと思う。
(2)上記の問題提起に対する各論
私は、昔話またはお話を絵本にする最大の目的は、あくまで読者(子供)がスムーズに話...