課題:テーマ2 恵み 「地蔵浄土・鼠浄土・おむすびころりん(変遷)、笠地蔵(種類)」
評価:A
昔話は時代とともに変化し、また、様々な種類が存在する。しかし、その核心となるモチーフやメッセージは変わらずに語り継がれる。今回、その変遷及び種類とメッセージについてまとめる。
変遷及び種類について
地蔵浄土・鼠浄土・おむすびころりん〔変遷〕
これらの話は、爺または婆が鼠の穴に落ちて他界へ行き、恩寵を受けて帰ってくる。それを見た隣の爺と婆が恩寵欲しさに同様の行動を取るが、欲深いため失敗するというもの。
行き先
爺または婆が鼠の穴に落ちて行った世界は、地蔵浄土においては地獄であり、鼠浄土及びおむすびころりんにおいては鼠の穴となっている。
古代の日本人は他界を、生命の根源を表す「根の国」と黄泉の国である「妣の国」と考えていた。「古事記」においては、大国主命が根の国で試練を克服し、宝物を貰ってこの世に生還する話があり、古代の人々は根の国には祖霊が居て、苦痛を与える一方で恩寵が与えられると信じていた。また、試練を受けた大国主命が火炎に包まれた際、鼠から火よけの呪文を教えて貰い、鼠の穴に落ちて助かるという話がある。このことから、鼠の穴はこの世と他界とをつなぐ穴だったと考えられていた。
地蔵浄土にお...