佛教大学通信課程の合格済みレポートです。あくまでも学習の参考としてお使いください。各科目B判定以上です。テキストを中心にまとめています。
テキスト『ギリシア神話:神々と英雄に出会う』について、古代人にとってギリシア神話はどのような意味をもっていたのか。またそれは後世にどのように受け継がれ、どのような影響を与えているのか、具体的な礼を挙げながら論じなさい。
ギリシア神話とは、古代ギリシアで生み出された神話や伝説を中心として作り上げられた世界の起源や神々、英雄たちについての物語である。
ギリシア神話を題材とする最も重要な詩歌は紀元前9~8世紀頃のホメロスの「イリアス」・「オデュッセイア」である。これらはトロイア伝説を扱っており、口承形式で伝えられていた。その後、紀元前8世紀~前7世紀ごろにかけて詩人ヘシオドスによって、それまで口承でのみ伝わっていた神話が文字の形で記録され、体系的にまとめられた。紀元前7世紀~前6世紀には、富の増大や植民地活動の活発化、文字使用の普及など、政治・経済・社会・文化の大きな変化を背景にギリシア神話は転換期を迎え、ポリスという新たな政治形態の成立過程で、詩人たちが抒情詩という新しい表現スタイルに新しい時代精神を盛り込むために、伝統的な神話に独自の改変を加えていったのである。紀元前5世紀になるとアテ...