英語と日本語の広い意味での比喩の構造を比較対照し、両者の違いをデータに基づいて具体的に論ぜよ。
比喩とは、物事の説明に際し類似したものを借りて表現することや例えである。1つの語が2つ以上の意味をもつことは日本語にも英語にもよくあることであり、基本的な意味と、それを基盤として新たに生じた意味などがある。このように基本的な意味を基盤として新しい意味が生まれることを意味拡張と呼ぶ。意味拡張のプロセスとして、メタファーとメトニミーという2種類の比喩を日本語、英語それぞれの立場から比較対照し両者の違いを検証したいと思う。
メタファーとは、類似性に基づき、より抽象的で分かりにくい対象を、より具体的で分かりやすい対象に見立てることである。私たちの日常生活の言語に深く浸透しており、それを使わずに言語を語るのが不可能であることすら知らずに過ごしているのである。
例えば、「見る」に相当する英語は 1.目で見る→see 2.ちらりと見る→glance 3.じっと見る→gaze 4.じろじろ見る→stare 5.(驚いて)口をぽかんとあけて見る→gaze 6.(穴から)こっそりとのぞき見る→peep ...