各発達段階の特徴について述べよ。
発達とは、精子と卵子の受精から死に至るまでの一生涯の「質的・量的な変化の過程」と定義されている。発達心理学の分野は、人間が一生の間、絶えることなく変化をし続けるという前提に立ち、その継続的な変化の仕組みを指している。現代の発達心理学における発達の概念には、成人期以降の中年期・老年期も発達の段階として含まれ、誕生から死までの生涯全ての過程を発達の定義とされている。
しかし、S.フロイトは青年期を到達点とする過程を発達としてとらえ、徐々に機能が衰え死を迎えると考えている。ピアジュは青年期に達成される形式的操作の段階が認知発達の到達点であると考えていた。つまり、この二人の概念は、成人後の発達の概念がなかったといえる。
それに対して、フロイトの精神分析の心理・性的な発達論を、社会的・対人的な視点から見直し、パーソナリティーの心理・社会的発達は生涯にわたって続くと考えた。それは、それぞれの段階における心理・社会的危機の克服そのものが発達課題であるとした。よって、現代発達心理学に用いられている誕生から死までが発達として含まれているため、ここではエリクソン...