A評価です。
戦後の社会福祉の展開と今日の課題について述べよ。
【戦後の社会福祉】
第二次世界大戦(1939年~1945年)によって、日本の国富の4分の1が失われた。街は浮浪児・者、失業者などであふれ、物資は極端に不足し、国民は闇市で食糧を求める状況であった。そうした中、最低限の国民の生活を支えることが、当時の日本における社会福祉の第一義的課題となっていた。
戦後の日本は、アメリカによるガリオア資金やエロア資金をはじめとして、国連児童緊急基金からミルクや衣料品、国際復興開発銀行からは製鉄・自動車・造船など、主に社会基盤整備のための資金融資を受けていた。
また、ボランティアについて述べている阿部²⁾によれば、1950年代まで、日本の社会福祉は「貧しさ」の対策に終始した状況であった。住民は、お互いに自分の生活を確保するのに精いっぱいで、近隣では「お互い様」「おすそわけ」と助け合ったが、とても他人のことまで心配する余裕はなかったと述べている。
何といっても、戦後の社会福祉の出発点となったきっかけが日本国憲法制度の施行である。第二次世界大戦前から、社会の底流に存在し、求められながらも抑圧されてきた国民主...