英語と日本語の文法構造または意味構造を比較対照し、両者の違いをデータに基づいて具体的に論ぜよ。
・文法と選択制限
私達が外国語を学ぶ際、まず文法を教わる。そして文法を身につけ、辞書から必要とする意味の語句を選び文法の規則に従って配列すれば完全な文ができるのである。だが、実際にコミュニケーションをとろうとするとこの方法では正しく通用する文になるとは限らないのである。
例を挙げると、「桃太郎」の話で「桃がひとつ川を流れる」という日本語の文を英語で言ってみるとする。「桃」はpeach、「川」はriver、「流れる」はflowという語を辞書から選択し、これらを英語の文法の規則に従い配列すると”A large peach flowed down the river.”となる。日本語の感覚でみると、この文は問題がないように見える。しかし、英語としてはとてもおかしな文である。なぜなら、この文には選択制限が守られていないからなのである。
選択制限は語結合とも呼ばれている。それは、「ある語は文法の決まりに合った構造を作っている限り、どのような他の語と結合してもよいというのではなく、結合できる相手に...