この種の議論が示唆していることは、ある創発的実体はその部分と部分の組織化と同じものであるため、その部分と組織化についての説明は実質的には全体の観点から説明していることと同じであるということである。それゆえに、合成特性は部分間の関係に言及することなく説明できるが、創発特性の説明にはいかなる還元主義者の試みによってもその高次の実体を欠かすことはできないのである。
内部構造化
ひとたび、創発の主張を確立するにあたって反事実性の重要性を理解すれば、ここで構築する創発の理論における最も魅力的な側面に取り組むこともできるであろう。その魅力的な側面とは、Bhaskarが内部構造化(intrastructuration)と呼んだものである。Bhaskarは、創発が二つの上部構造で構成されていることを議論した。その上部構造のうちの一つは、上部位置(superimposition)である。これは、既存のレベルよりも上位のレベルにおいて創発が生じることを意味しており、この配置の発生を上部構造化と呼んだ。もう一つが、内部位置である。これは、既存のレベル内での創発を意味しており、この発生を内部構造化と呼ん...