方法
(1)200mLのナスフラスコにBenzophenone 3.32gを入れ、EtOH 20mlを加えて少し温めながら溶かし、ジムロート冷却管をつけて装置に固定する。この溶液1滴を小さい試験管に取り、EtOH 1mLで希釈してTLCのサンプルAとする。
(2)NaBH4(0.4g)を、室温以下で反応液に少しずつ加え、軽く手で振り混ぜる。
(3)反応液を水浴中(75〜95℃)で10分間還流した後、室温に冷却する。反応液を1滴取り、EtOH 1mLで希釈してTLCのサンプルBとする。
(4)残りのNaBH4を少しずつ反応液に加え、室温で5分間振り混ぜた後、さらに10分間水
浴中(75〜95℃)で還流する。反応液1滴を取り、EtOH 1mLで希釈してTLCのサン
プルCとする。
(5)サンプル溶液A,B,CをTLCにスポットし、反応の進行を観察する(展開溶媒:CHCl3)。もし原料が残っているようであれば、NaBH4(0.3g)を追加して、さらに10分間還流する。原料がなくなっていれば、反応液をロータリーエバポレーターで濃縮し、固形の残留物を得る。
(6)残留物に温水(50〜60℃)60mlを加え、氷で冷却しながらかき混ぜると、白色の沈殿
物(粗結晶)となる。スパーテルで粗結晶をよくつぶしてから、吸引ろ過する。粗結晶を冷水で十分洗い、スパーテルで押さえてできるだけ水分を除く。さらに大きめのろ紙も使って、十分に水分を除く。
(7)粗結晶を三角フラスコに移し、石油ベンジン(20ml)を加えて温めて溶かす。水分が残っているようであれば、水をピペットで吸出し、さらに無水Na2S04を加えて乾燥させる。
(8)石油ベンジンをもう一度温めてから、すばやくひだ折ろ紙でろかして乾燥剤を除去し、
ろ液を放置する。針状の結晶が析出してきたら、しばらく氷冷した後にろ取する。
(9)真空乾燥後、収量を量り融点を測定する。
まず、BH4がカルボニル炭素を求核攻撃する。O−H間の水素結合が共有結合に変わり、生成したアルキルアニオンがホウ素の空の軌道に入る。
ReportⅡ Synthesis of Benzydrol (diphenylcarbinol)
Data:2006.04.19
Quantities 3.36 g
Mol.Wt. 182.22 g/mol 184.23 g/mol
Moles 1.84×10-2 mol
Theoretical yield 3.39 g
Actual yield 1.96 g
Percentage yield 57.6 %
Melting point 59.0℃
TLCの様子
展開溶媒:CHCl3
B、CからはAの反応が全く見られないので、BenzophenoneはすべてBenzohydrolに還元されたといえる。
方法
(1)200mLのナスフラスコにBenzophenone 3.32gを入れ、EtOH 20mlを加えて少し温めながら溶かし、ジムロート冷却管をつけて装置に固定する。この溶液1滴を小さい試験管に取り、EtOH 1mLで希釈してTLCのサンプルAとする。
(2)NaBH4(0....