(1)規制から開示へ
日本経済の新たな担い手として、新たな産業・企業の成長は大変重要である。しかし、戦後から続いてきた間接金融を主体とし、規制の多い日本の証券市場では、新興企業が創業や成長に必要な資金を十分に調達できないという問題に直面することが多かった。
日本の株式市場は、戦後に証券取引法を制定して以来、投資判断に必要な情報の開示(ディスクロージャー)を発行企業に対して義務付け、インサイダー取引など市場における不公正な取引の排除を行うといった、開示主義的な制度であった。
新興企業向け市場の現状
規制から開示へ
日本経済の新たな担い手として、新たな産業・企業の成長は大変重要である。しかし、戦後から続いてきた間接金融を主体とし、規制の多い日本の証券市場では、新興企業が創業や成長に必要な資金を十分に調達できないという問題に直面することが多かった。
日本の株式市場は、戦後に証券取引法を制定して以来、投資判断に必要な情報の開示(ディスクロージャー)を発行企業に対して義務付け、インサイダー取引など市場における不公正な取引の排除を行うといった、開示主義的な制度であった。しかし、それは法律上の建前であって、実際は法令にはない自主規制や業界の申し合わせ等、不透明なルールによって...