第1課題
律令国家の行政機構を分析しなさい。
日本では、唐の脅威にさらされた七世紀に、大化の改新により、公地公民制を基本理念とする中央集権国家の創設が宣言され、律令体制が整備されていくこととなった。
律令国家における行政組織は、公地公民制により増大化した業務を処理するために、二官八省制という分業制であった。官職を規定し、業務を体系的に分業し、担当する役所に配分していた。
行政組織は中央官職と地方官職に分けられ、中央官職の最高部局として神祇官と太政官がおかれた。神祇官は祭祀をつかさどる日本独特の制度であり、太政官は一般政務をつかさどり、政策決定機関として八省や地方の国司などを統轄する国政の中枢部であった。八省の下にはそれぞれ職・寮・司といった専門的な特殊事項を扱う下級機関が付属し、関連する省がそれらを監督した。さらに、機構が健全に機能するよう、役人の非違を監視するため機構として、弾正台という外部の独立機関をおいた。これにより組織的に全体として一つにまとめることができ、すみずみまで中央の指令がいきわたるシステムが形成されたことになるが、時代が下るにつれてそれまで想定しえなかった問題、...