2011年度課題レポート・民法3(債権総論)のものです。
題:諸概念についての説明
前注
本稿では課題の性格から章立てて論ずることをせず、また参考文献という形で文献を引用する。
序
以下の概念につき、それぞれ300字程度で説明する。
本論
(1)手段債務
債務の内容を特定の観点から整理するとき、特に証明責任に関して差異が生じると考えれば、結果債務と手段債務とに分類される見解が主張される。
即ち、前者は給付が一定の結果実現に向けられる債務であり、後者は履行過程が重視される債務である。例えば後者には、注意深く最善を尽くして行為したか否かが重要となる医師の困難な外科手術が挙げられる。
このような区別を意識的に判示している判例は見受けられないが、学説上では債務不履行責任の構造を理解するための視角を提示するものとして重要視される。
注目すべきは、結果債務と異なり手段債務は、債務の本旨に従った履行がなされていないことの判断と帰責事由の判断とが重複・一本化している。(306字)
(2)損害賠償の範囲
損害賠償の内容としては、当該債務不履行に基づく損害はある意味では無限に広が...