<インターナルバリディティの評価②>
市場の新しさと売上成長の関係には、リスク選好度という第三の変数を考えることができる。リスク回避的な企業は、売上が低下するリスクを避けるために、既存の市場とは関連の低い市場に進出することで、企業全体としての売上変動リスクを抑えようとする。その一方で、リスク愛好的な企業は、既存市場における強い地位を獲得することで、高い利益を得ようとする。このとき、リスク愛好的な企業の利益の振れ幅は大きいため、リスクテイキングに成功し生き残った企業は高い成長を示し、失敗した企業はその他の利益の源泉がないため退出を促される。したがって、サンプルとして採用されるリスク愛好的な企業は成功した企業のみが採用される傾向にある。このため、多くの市場へと進出した企業は成長率が低くなり、既存市場と関連度が高い企業は成長率が高くなっているように見えるのである。
したがって、既存市場と関連度が高い市場へと製品を出したとしても、成長率は低い可能性がある。
<コンテクスト>
能力は業績に影響を与える
<仮説>
■仮説1:反復的な相互作用を通じた顧客特殊能力の開発は、プロジェクトの...