佛教大学、日本国憲法(Z1001)のリポートです。
2013年度、最新です。A判定済みです。(「段落ごとに細かくまとめられており、とてもわかりやすく丁寧な内容です」と評価をいただきました。)
教員を目指す皆様の参考になれば幸いです。
設題 「法の下の平等について」
法の下の平等について
人権の歴史
人権の思想
近代憲法では、「すべての人間が生まれながらにして固有の、奪うことのできない権利をもつ」1)という人権についての考え方が定着した。この思想を形成するのに大きな役割を担ったのは、17世紀から18世紀にかけて、多くの啓蒙思想家が説いた「人間は自然の状態において生来、自由で平等であった」という考え方である。そしてこの自由・平等の理念は、個人の尊厳尊重の思想を基礎としている。国家は人権を守ることに奉仕すべきものであると定義づけられることで、専制政治と身分制を打倒する革命運動を推進する思想的支柱となった。
人権の拡大過程
当時の自由とは、身体・生命の自由や思想の自由、経済的自由等ではなく、国家権力の介入することを禁止するという、すなわち「国家からの自由」であった。強力な国家権力の支配を脱却できず、立憲主義の弱い国では、「上から与えられた自由」にとどまる場合もあった。
しかし、18世紀、19世紀の憲法は、人権を保障することに対して共通性をもっており、内容もほぼ同様で、身体の自由、表現の自由、財産権の不可侵等であった。そして、市民層の勢力の...