2013年 憲法 第1課題 C
委任立法が認められる根拠・その限界について明らかにしたうえ、最高裁判決(平成14
年1月31日)を検討せよ。
第1 基本概念
委任立法とは、法律がその所管事項を命令その他の法形式の定めに委任することをい
う。 憲法には、政令への罰則への委任に関する規定(73条6号ただし書)はあるものの、
委任立法そのものを直接明示する規定はない。そこで、委任立法が認められるかが問題と
なるが、下記のような根拠から認められるとする見解が有力である。
まず、形式的根拠(許容性)として、73条6号ただし書は、間接的に委任立法を容認し
その存立を前提としていることが挙げられる。次に、実質的根拠(必要性)として、究極
的には、国家の性格が消極国家から積極国家に変わり、国家の任務が飛躍的に増加し複雑
化したことに求められ、具体的には、①専門的・技術的事項に関する立法の要求や、②事
情の変化に即応して機敏に適応することを要する事項に関する立法の要求が増大し、また、
③地方的な特殊事情に関する立法や、④政治の力が大きくはたらく国会が全面的に処理す
るのに不適切な、客観的公正の特に望ま...