大阪芸術短期大学部通信教育部保育科、教育史リポート、評価A、平成25年度10月提出
コメニウスは私たちが経験してきた学校教育を構想した人物として知られている。教授学と汎知学に基づいて彼は『あらゆる人にあらゆる事柄を教授する』ことの必要性を説いた。そして『あらゆる事柄』を絵で示したものが『世界図絵』を出版したことでも有名である。『世界図絵』は子どものための絵入りの教科書として評価されている。そして多くお研究者に様々な言及がなされている。さて、『世界図絵』を通してコメニウスについて述べていきたい。
チェコ生まれのコメニウスは1611年にドイツのヘルボルンに留学中にアルシュテット、ラトケ、ベーコン、アンドレーエなどの思想を強く影響を受けた。それが後の彼が唱える教授学は汎知学の構想に繋がっていくことになる。帰国後はプシェロフで教団付属学校で牧師として活動をするが、やがて30年間戦争で祖国を追われ、流浪生活を余儀なくされる。その中で教授学や汎知学が生まれ、それに関する著作が出版される。子どもが『あらゆる事物』を理解できるように工夫されて作られた『世界図絵』が出版された背景には教授学や汎知学から繋がっていると考えられる。彼が著作した『大教授学』によると『男女両性の全青少年が、...