イメージと弊害
時として、イメージは本物とかけ離れてしまう。イメージは人間が環境に効率よく適用するためのもので、そのイメージには常に予測と期待が含まれている。それらは本物と直に接することにより修正が図られ、より本物に近いイメージにと変わってゆくのが正しいあり方である。しかし、多様な現代社会において、直に接することのないモノにたいしては、修正されないイメージを修正する機会のないまま、そのイメージを頼りに社会生活をおくらなければならない。そして、それが進行すると現実とイメージの間に大きな壁ができあがる。こうして本物と隔離されたイメージは本物とは全く別の存在であるのだが、そのイメージが多くの人に共通のモノになると、本物よりもそのイメージの方がリアリティーを持つようになってしまう。
丸山真男と近代日本政治思想について2
イメージと弊害
時として、イメージは本物とかけ離れてしまう。イメージは人間が環境に効率よく適用するためのもので、そのイメージには常に予測と期待が含まれている。それらは本物と直に接することにより修正が図られ、より本物に近いイメージにと変わってゆくのが正しいあり方である。しかし、多様な現代社会において、直に接することのないモノにたいしては、修正されないイメージを修正する機会のないまま、そのイメージを頼りに社会生活をおくらなければならない。そして、それが進行すると現実とイメージの間に大きな壁ができあがる...