神についての問題と精神についての問題の2つは、神学によってよりはむしろ哲学によって論証されねばならない。そうでないと、信仰なき人々を納得させられないからである。
こう言って、神と精神の問題を哲学的に解明することを試みたのがデカルトの省察である。
このようにデカルトの省察のテーマは神と人間精神である。「この書の第一版の表題は、正確には『神の存在と霊魂の不死が証明される第一哲学の省察』となっている」 しかし実際には精神の不死を結論とする論証がなされているわけではなく、単に精神が身体から区別された実体であることを論証しているにすぎない。デカルトは「全自然学の完全な展開なしに精神の不死ということは結論されないということも認めており」 そこで第二版では「『神の存在、ならびに人間精神と身体との区別が証明される第一哲学の省察』と改題された。」
デカルトの省察について
神についての問題と精神についての問題の2つは、神学によってよりはむしろ哲学によって論証されねばならない。そうでないと、信仰なき人々を納得させられないからである。
こう言って、神と精神の問題を哲学的に解明することを試みたのがデカルトの省察である。
このようにデカルトの省察のテーマは神と人間精神である。「この書の第一版の表題は、正確には『神の存在と霊魂の不死が証明される第一哲学の省察』となっている」 しかし実際には精神の不死を結論とする論証がなされているわけではなく、単に精神が身体から区別された実体であることを論証しているにすぎない。デカルトは「全自然学の完全な展開なしに精神の不死ということは結論されないということも認めており」 そこで第二版では「『神の存在、ならびに人間精神と身体との区別が証明される第一哲学の省察』と改題された。」
表題を素直に受け止めれば、この世界には神が存在すること、精神と身体とがそれぞれ異なった実体として存在すること、魂の不死を証明することにデカルトの意図があった。第一省察ではあらゆるものについての懐疑が示されている。第二省察では「我...