江戸時代においても、寺子屋などで算数教育はおこなわれていたが、明治初期においては、数と計算の内容を中心として比較的自由な算数教育が展開されていた。国家による算数教育がはじまったのは明治時代である。しかし教育制度の整備、国家戦争の下で、日本の教育は統制に向かっていった。そのような中編纂された国定教科書が黒表紙教科書である。この時期の教育は、富国強兵の政策と同様、外国に追いつけ追い越せの精神が根底にあった。そのせいか教育の一元化を目指し、外国の教育内容を参考にした教育内容となる。数え主義の徹底や幾何の学習を一部に限るなどのやり方は、国家の教育制度をどう確立するかのスタンスに立っており、子どもにとっては理解が難しかった。また、指導法も注入式で、学ぶ子どもの発達段階や過程を考慮していなかったのではなかろうか。
「算数科教育法の歴史(黒表紙教科書、緑表紙教科書、水色表紙教科書、単元学習、現代化、ゆとり)について述べ、それらの教育内容を自分の観点で考察せよ。」
江戸時代においても、寺子屋などで算数教育はおこなわれていたが、明治初期においては、数と計算の内容を中心として比較的自由な算数教育が展開されていた。国家による算数教育がはじまったのは明治時代である。しかし教育制度の整備、国家戦争の下で、日本の教育は統制に向かっていった。そのような中編纂された国定教科書が黒表紙教科書である。この時期の教育は、富国強兵の政策と同様、外国に追いつけ追い越せの精神が根底にあった。そのせいか教育の一元化を目指し、外国の教育...