「ソーシャルワークの理念について述べよ。」
1.ソーシャルワーク実践と価値及び権利擁護について
はじめに価値とは、対象者の選定、対象者の支援の方向性、ソーシャルワーカーの時間の費やし方、社会資源の配分の仕方、クライエントを支援するアプローチや方法の選択、個々のソーシャルワーク実践での時間の判断など幅広い、多くの場面で影響を与える。
ソーシャルワーク実践は、瞬時の判断と行動の積み重ねである。しかし、判断が常に明確な場面ばかりではない。明確でない場面の場合、どれほど知識が豊富でスキルを確実に身につけていても、ソーシャルワークの価値を身に着けていないと専門職として適切でない判断をしてしまう危険性がある。そこで、専門職として共有する価値を身につけ、それを第一義的な判断基準として用いていく力が必要になってくる。
ソーシャルワーカーは、人間の尊厳や社会正義など、いくつかの性質を大切にするべき価値として共有している。
価値は、その集団に所属する人々が何を優先するか、何を選択するか、どの方法を用いるのかなどの判断を与える。そのため、ソーシャルワーカーは、専門職として共有する価値によって個...