0763労働経済論<分冊2>日本大学通信教育部/評価S

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    資料紹介

    【課題】
    日本の労働時間問題は、時間外労働を中心に構造的な問題として現れている。それがどのようにして現れているか実態を示し、その背景の労働時間規制の問題があることを明らかにせよ。

    【参考文献】
    労働の経済学/笹島芳雄

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    わが国の労働時間は長期的には減少してきている。しかし国際的にみると今なお高水準にあり、特に先進国の中では際立って長い。1人当たりの国民所得は、先進国の中でもトップクラスの水準だが、いまだに国民の間で豊かさが感ぜられない一つの理由として、長時間労働が指摘されている。このため労働時間の短縮が、労働政策の重要な課題である。

    1947年に労働基準法が制定され、法定労働時間は、1日8時間・週48時間を原則として定めた。また年次有給休暇の日数は、勤続1年経過の者に6日、その後は勤続1年増すごとに 1日追加し、最高20日と規定された。この水準は、戦前の工場法の規定をかなり上回り、また当時の国際的水準に相当するものであった。このように労働基準法の内容は当時のわが国の労働時間の実態をはるかに上回る水準だったために違反が続出し、制定当時やその後しばらくは、法律の浸透・定着が労働時間問題の課題であった。1950年代後半には、卸売業や小売業での週休制確立が課題であったが、新規学卒採用の困難さが増すにつれて、週休制は急速に普及した。1960年代前半になると、法定の労働時間よりも短くする企業も現われ始めた。

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