佛教大学通信課程の合格済みレポートです。あくまでも学習の参考としてお使いください。各科目B判定以上です。テキストを中心にまとめています。
カントの『純粋理性批判』を読んで、「純粋理性の根本法則」について知るところを書くこと。
このリポートの作成にあたって、テキストの主に第5章第1節で学習を深めた。
カントの哲学において、純粋理性とは広義には、経験を可能ならしめる先天的認識能力である。カントは理性が独自の原理に従って事物を認識すると考えるが、この原理は経験に先立って理性に与えられる内在的なものであり、理性自身はその起源を示すことができず、またこの原則を逸脱して自らの能力を行使することも出来ないとしている。
『純粋理性批判』はまず、「知識とは何か」を問題にしている。カントは、知識は判断であるが、判断には分析判断と綜合的判断とがあり、科学的であるためには先験的な基礎によるべきであるとして、知識は先天的綜合判断であると定義している。そして、いかにして先天的綜合判断を構成することができるかが、カントが解決しようとしている根本問題なのである。
カントの批判主義は、科学的判断は必ず感覚的要素と先験的要素を含んでいるとしている。そして、感覚的要素を否定する合理主義と合理的な先験的要素を否定する感覚主義の二つの理論の中間に入り、判...