佛教大学通信課程の合格済みレポートです。あくまでも学習の参考としてお使いください。各科目B判定以上です。テキストを中心にまとめています。
道徳教育の意義について述べよ。
道徳とは何かについて、大辞林では「ある社会では、人々がそれによって善悪正邪を判断し、正しい行為をするための規範総体。法律とは違い外的強制力としてではなく、個々人の内面的原理として働くものをいい、また宗教と異なって超越者としての関係ではなく人間相互の関係を規定するもの」と述べられている。しかしながら、日高六郎は「道徳は社会規範」の一つであり、それは社会的一般化し、是認され、ある程度強制されるものであるとしており、道徳には個人の自発性による部分と、社会から強制されている部分の二つがあるとしている。つまり、国家社会の成員として規制を受けているのである。
このような道徳を子どもたちにどのように教えるかが道徳教育であり、日高は、一定の社会において、それぞれの支配的価値観にもとづいて、意識の形態を形成し、行動の様式や性格を育てることをめざしておこなわれる道徳を道徳教育というとしている。
このような道徳教育をどこで行うかが問題となる。平塚益徳は、人間はすべて道徳的無律の状態から、自然的、社会的、文化的環境との相互関係を通じて他律を経て自律の段階へと育成されるべ...