「学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどうのように変化するのかについて学力の視点から述べてください。」
まずはじめに「学歴社会」の定義についてみていきたい。
学歴社会とは「社会における社会的・職業的地位などの配分の基準として学歴が重きを占める社会」のことを言い、明治時代から現代に至るまでの日本の社会を指すものとして認識されている。この学歴偏重主義は日本において、非常に根強く浸透しているため、求職者の大半が「受験」を経験し合格して、「学歴獲得」を成し、「高い地位・特権」を獲得するといった一連の流れを踏むのである。そのため、その人物に実力や能力がなくても将来的には学歴による早期出世や、高収入が見込まれるのである。逆をいえば、いくら実力や能力が備わっている人物であっても、学歴がなければ、肩身の狭い思いをするような世界だということになる。社会には様々な家庭環境や諸条件などにより、学歴にも低から高があるが、それがそのまま就職や収入、昇進、結婚などに結びつくことが多く、それが「学歴差別」と批判され、階級社会の再生産だと指摘されているのである。
しかし現在、学歴社会の崩壊...