設題
『グレート・ギャツビー』に見られる感覚的な描写について、具体例を3つ以上挙げて、あなたの考えを述べなさい。
※あくまで参考資料としてご使用ください。
レポートの最後に参考文献を記載しています。
『グレート・ギャツビー』に見られる感覚的な描写について、具体例を3つ以上挙げて、あなたの考えを述べなさい。
フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』は、色の描写が印象的な作品である。本論では、村上春樹訳の『グレート・ギャツビー』を通して、本作品に出てくる多くの色の中、とりわけ白、黄、緑の3色に着目し、作中でのそれらの色が持つ意味を明らかにすることを試みる。
まず、白について考察する。白は、本作品では他の色に比べて登場頻度も多い色である。一般的に白は、純粋、無垢、潔白などのイメージがある。本作品の第一章では、ニックがブキャナン邸を訪れた際、デイジーとベイカーが白ずくめという姿で登場している。この時点で真っ白な洋服に身を包んだ二人に読者が抱く印象は、一般的な白が表わす意味であるだろう。しかし、物語が進むにつれ、第一章の後半の方ですでに、デイジーの発言からは、純粋さというものが感じられない。例えば、デイジーの「女の子で嬉しいわ。馬鹿な女の子に育ってくれるといいんだけれど。それが何より。きれいで、頭の弱い娘になることが」(村上春樹訳39頁(以下頁数のみ表記))という発言である。一般的に...