ピアジェの発達論にもとづいて、子どもの思考の発達について述べなさい。
明星大学通信教育 2013・2014年度 教育心理学【PA2030】1単位目
ピアジェの発達論にもとづいて、子どもの思考の発達について述べなさい。
ピアジェは発達心理学者、幼児教育学者でよく知られている。ヒトが世界を認識する際に使用する認知の枠組みをシェマと呼び、同化と調節の均衡化の過程によりシェマの構造が変化していく過程を知的機能の発達とした。同化とは、外界の情報がすでに持っている自分のシェマと適合する場合に、シェマを強化する形で情報を取り入れることをさす。調節とは、外界の情報にあわせる形で自分のシェマを変化させることをさす。そして、行為が思考に内化することを操作と呼んだ。このシェマと操作が、大きく質的に変化する年齢に着目し、乳幼児が成長していく過程でどのように思考を発達させるかをモデルとして考え、4つの区分に分類したものが、ピアジェの発達論である。以下、この4つの区分の特徴をみていきたい。
0~2歳ごろまでを「感覚運動期」という。この時期の子どもは感覚と運動とを共応させることを覚える。この時期を通して、子どもは外界の存在を知り、外界と意識的に関わり始める。また、感覚運動期の最初...