特別活動の指導法(小学校) 1
平成20年学習指導要領改訂が行われるのを機に、その時に課題となっていたものとして大きく2つ挙げると、好ましい人間関係を築けないこと、望ましい集団活動を通した社会性の育成が不十分な点であった。そうした課題に取り組むため、特別活動の意義を学校における「望ましい集団活動や体験的な活動を通して、豊かな学校生活を築くとともに、公共の精神を養い、社会性の育成を図る」ことを強調した。特別活動の歴史が始まって約65年経て、社会の要請に大きく応えるため、改めて現在特別活動への大きな期待が高まっている。本論では、そうした特別活動の歴史を俯瞰しながら、今までの特別活動がどのような意義を持っていたかをまとめていく。なお、特別活動の名称についてであるが、各改訂版によって名称が違っているので、本論では一貫して「特別活動」として記載する。
特別活動の歴史は、戦後すぐに始まった。昭和21年、アメリカ教育使節団報告書によると、学校で民主主義的意思集団意思決定の方法を学ぶために、学校内に小型の議会や委員会組織を作ることに言及した。さらには、演劇やスポーツといった集団的活動の場を設ける...