社会2
1 社会科は昭和22年から始まった。昭和22年から約10年間、社会科は社会生活についての良識を学ぶことに主眼を置かれていた。指導法については、従来の知識主義から大きく変わり、子どもたちが自分たちの興味に沿って学習を進めていく形がとられた。しかし、基本的な地名や年号について触れることは少なく、子どもたちの学力低下が叫ばれる中、昭和30年代に社会科の性格が大きく変わることになる。
社会科の性格が変わった大きな要因の1つに、道徳の特設がある。昭和20年代の社会では、道徳教育を含む形で内容が構成されていた。道徳教育については、社会科が担っていた。しかし徳目教育の必要性が叫ばれる中、昭和33年改訂で道徳が特設されて、徳目重視の教育に変わった。今までは社会科で道徳の役目をも果たしていたものが、道徳の特設で、社会科は社会事象を系統的に理解していく教育になった。
昭和40年代になると一層、教育の現代化に学習内容が強まり、授業時数も学習内容の分量も、この頃が一番のピークであった。また昭和43年改訂では、アメリカのカリキュラム現代化運動の影響があり、より一層学習内容の高度化が図られた。そし...