M6108 日本漢文入門のレポートです。
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日本文学における「漢文」の特徴を概説せよ。
漢文が日本に受容された経緯
『古事記』によると、漢文は、応神天皇の時代に帰化人たちの手によって日本にもたらされたことになっている。しかし、『古事記』による記述は、もたらされた書物の成立と書物が日本にわたってきた時代に矛盾があり、後世の人の憶測による説であると考えられている。いずれにしても、漢文は、朝鮮半島を経由して、日本にもたらされたことは間違いないようである。そして、我国の祖先たちは、漢字によって自らの感情や考えを表現することを学んだのである。
ところで、漢字が日本に伝来したのは、五世紀末から七世紀初頭の間のことであると考えられている。当時、記録を担当していた帰化人は、漢文によって記録を行っていたが、地名や人名など固有名詞の記述に関しては漢字の音・訓を借りて、漢字の意味とは関係なく使用していた。
その後、漢字の音・訓を借りて使用する方法から、万葉仮名が生まれた。万葉仮名の誕生について神田秀夫は「地名・人名に限らず、日本語の全部を漢字に音訳することも可能ではないか、と考へたらしい。(中略)古事記の歌謡や、万葉集巻五の歌などの筆録は、...