IS=LM分析を用いて、失業を解消するための財政政策および金融政策について以下に述べる。
IS-LM分析とは、国民所得と利子率を用いて財市場と貨幣市場の同時均衡を分析することである(図1)。IS曲線とLM曲線の交点で、財市場と貨幣市場を同時に均衡する国民所得(均衡所得)と利子率(均衡利子率)が決定される。しかし、このときの国民所得と利子率の組み合わせが必ず完全雇用を満たすとは限らない。
IS曲線とLM曲線の均衡点で、なお失業が発生している場合は、有効需要を喚起し、国民所得水準を引き上げる必要がある。その1つの手段として金融政策が挙げられる。拡張的な金融政策を行い、マネー・ストックを増加...