実験2-1 : 0.1mol/L HClの調製と滴定
【実験の目的】
中和滴定(酸塩基滴定)の操作を通して「標定」の概念を習得する。併せてファクター(補正係数)の求め方と意義を理解する。今回は直接法による標定を行う。
【使用実験装置】
Ⅰ)調製
メスピペット、安全ピペッタ、メスフラスコ、試薬瓶、ロート
Ⅱ)標定
電子天秤(METTLER TOLEDO製 AG104)、デシケータ、ミクロスパーテル、
ピンセット、秤量瓶、薬包紙、コニカルビーカ、メスシリンダ、ビュレット、ロート、 バーナ、三脚、セラミック金網、アルミホイル
【使用薬品】
HCl、Na2CO3 、メチルレッド試液、蒸留水
【実験方法】
Ⅰ)調製
濃塩酸1.8mLをメスフラスコに入れて、水を加えて200mLとした。
Ⅱ)標定
炭酸ナトリウム(標準試薬、加熱しデシケータで放冷済み)を約2gとり、ついで電子天秤で精密に0.15g量りとる。これを水30mLに溶かし、コニカルビーカーに移したあと、メチルレッド試液3滴を加えた。
これを調製した塩酸で滴定し、塩酸の濃度のファクター(f)を計算した。
※注意点
(1)滴定の終点は溶液を注意して煮沸し、緩く栓をして冷却したときに、持続するだい だい色~だいだい赤色を呈したときとする。
これは、塩酸と炭酸ナトリウムの下記反応により、当初溶液は酸性を示すためである。
Na2CO3+2HCl → 2NaCl+H2CO3 ・・・(a)
H2CO3 →H++HCO3-
溶液を煮沸することにより、H2CO3 →H2O+CO2↑として酸の影響を除去するの である。
(2)指示薬の選定
今回は塩基側から酸側への滴定であり、また、強酸と弱塩基の中和反応なので、中和点が酸性側へずれる。よって、変色域がpH4.2~6.2であるメチルレッドが適当である。
<メチルレッドの変色>
~pH4.2 赤
pH4.8~5.3 だいだい赤色:変色域
pH6.2~ 黄
<性質>
赤または紫色の結晶でベンゼンに可溶。酸性で赤、中性・アルカリ性では黄色になる。メチルレッドの構造はメチルオレンジとよく似ていて、ベンゼン環についているカルボキシル基の影響で色が橙より長波長側の赤になる。
メチルレッドの場合
メチルオレンジの場合
【実験結果】
容量分析用標準物質として使用したNa2CO3 の質量 : 0.1503g
当量点に達したときまでに使用したHClの体積 : 27.80mL
Na2CO3 の式量は105.99であるから、0.1507gは0.1507÷105.99molに相当する。上記(a)式より、Na2CO3 1molに対しHCl 2molが反応するから、これに対応するHClは、
0.1507÷105.99×2molである。
従って、求める標定液の濃度は、0.1507÷105.99×2÷0.0278=0.1020mol/Lである。
従って、ファクターfは、f=(標定によって求めた濃度)/(表示濃度)
=0.1020/0.1
=1.020
である。
課題
①容量分析用標準物質と標準液の条件について
容量分析用標準物質は分析の結果の正確さを支配する大切な役割をなす物質であるので、以下のような条件が要求される。
・一定の組成を有する高純度の物質であること。
・化学的に安定であること。
・加熱、乾燥により一定の重量になること。
・吸湿性、潮解性がなく、秤量
実験2-1 : 0.1mol/L HClの調製と滴定
【実験の目的】
中和滴定(酸塩基滴定)の操作を通して「標定」の概念を習得する。併せてファクター(補正係数)の求め方と意義を理解する。今回は直接法による標定を行う。
【使用実験装置】
Ⅰ)調製
メスピペット、安全ピペッタ、メスフラスコ、試薬瓶、ロート
Ⅱ)標定
電子天秤(METTLER TOLEDO製 AG104)、デシケータ、ミクロスパーテル、
ピンセット、秤量瓶、薬包紙、コニカルビーカ、メスシリンダ、ビュレット、ロート、 バーナ、三脚、セラミック金網、アルミホイル
【使用薬品】
HCl、Na2CO3 、メチルレッド試液、蒸留水
【実験方法】
Ⅰ)調製
濃塩酸1.8mLをメスフラスコに入れて、水を加えて200mLとした。
Ⅱ)標定
炭酸ナトリウム(標準試薬、加熱しデシケータで放冷済み)を約2gとり、ついで電子天秤で精密に0.15g量りとる。これを水30mLに溶かし、コニカルビーカーに移したあと、メチルレッド試液3滴を加えた。
これを調製した塩酸で滴定し、塩酸の濃度のファクター(f)を計算...