明星大学通信教育課程の合格レポートです。課題レポート作成資料や試験対策としてご活用ください。
【課題】
わが国の幼稚園と保育所の歴史的発展過程を概説し、両者の今後のあり方について、保育制度および保育内容・方法の両面から考察しなさい。
※参考文献
「教育演習図書 保育原理」村山貞雄・岡田正章著 発行/学文社(1998年)
「現代保育学入門 子どもの発達と保育の原理を理解するために」諏訪きぬ著 発行/フレーベル館(2001年)
「21世紀へ向けての保育の創造」柴崎正行・諏訪きぬ著 発行/フレーベル館(1999年)
保育学 幼児教育学 2単位目
わが国の幼稚園と保育所の歴史的発展過程を概説し、両者の今後のあり方について、保育制度および保育内容・方法の両面から考察しなさい。
我が国で本格的な幼児保育の歴史は、明治初期1876年の東京女子師範学校(現お茶の水女子大学)付属幼稚園の創立に始まり、その後の日本の幼稚園教育のモデルとしての役割を果したすことになる。この幼稚園の保育内容は、フレーベルの教育思想に基づいて構成され、家庭教育の補足を主旨としていた。園児の多くは裕福な上流階級の子弟であり、幼稚園は一般大衆からかけ離れた貴族的傾向を色濃く持って出発したのである。しかし、明治中期になると、「簡易幼稚園奨励策」や「幼稚園保育及設備規定」の制定により、幼稚園制度の基礎が築かれ私立幼稚園の増加が著しくなり、それまで一部の上流階級の特権というイメージがあった幼稚園は次第にその性格を大衆化の方向へと変えていった。こうして、大正期に入り、デューイやモンテッソーリの思想が論じられるようになると、それが大正デモクラシー運動の高揚と結びつき、従来のフレーベルの「恩物」中心の保育が批判され、児童中心主義的な保育が展開され...