明星大学通信教育課程の合格レポートです。課題レポート作成資料や試験対策としてご活用ください。
【課題】
① 「3歳児神話」とは何か。どのような学問的根拠をもっているのか、また、日本ではどのような意図で普及した言説であるかまとめなさい。
② アメリカの国立小児保健・人間発達研究所による保育効果の縦断研究でわかったことをまとめると共に、大宮氏の保育の質の定義から、子どもの発達を保障する為の「保育の質」として大切な点をまとめなさい。
※参考文献
「0歳から3歳 保育・子育てと発達研究をむすぶ【乳児編】」 神田英雄著 発行/全国保育団体連絡会(1997年)
「改訂版 資料でわかる乳児の保育新時代」乳児保育研究会著 発行/㈱ひとなる書房
「認定こども園の時代」北野幸子・矢藤誠慈郎・無藤隆 発行/ひかりのくに(2014)
乳児保育 2単位目
「3歳児神話」とは何か。どのような学問的根拠をもっているのか、また、日本ではどのような意図で普及した言説であるかまとめなさい。
3歳児神話とは乳児保育において3歳頃までは家庭で母親が育てないとその後の成長に悪い影響を与えるという考え方の一つである。この考え方の科学的根拠というのは現在に至るまで証明はされておらず神話の領域を出てはいないが、我が国では1960年代頃からの高度経済成長下での「父親は仕事、母親は家庭」といった国策の一つとして展開された時代があった。
こうした3歳児神話の展開の学問的根拠となっている有名なものに母親から引き離されて、乳児院などに預けられた子供の発達不良に関して示したボウルビーの学説がある。彼がWHOからの依頼で母性的養育を喪失した孤児院の子ども達を調査したその報告書の中で「生後3年間における母子関係の長期的断続は幼児の発達に悪影響を及ぼす」と臨床的なアプローチの観点から示している。国内でも脳科学者の澤口俊之や心理学者の林道義らが肯定的な学説を唱えている。その一方で3歳児神話否定論としてはハリスンの母親への愛着という観点からの研究では0歳代で...