適応・不適応の心理的機制、またそれらから引き起こされる特徴的行動について説明せよ
まず最初に、生徒個人の適応を促すために必要な心理学的機制、それにともなう概念を整理する。
適応とは、生物学的な「順応」に加えて、家庭や学校、職場、地域などの社会的な環境に対して、心理的、文化的な適応を意味する。つまり、個人と環境との相互作用において、両者の間に何らかの一致ないしは調和の取れている場合を指す。そして、適応するために、様々な欲求を満たそうとして、目標を設定したり、学習や訓練を受けたり、さらには、自らの行動や態度を調整して、環境そのものを変化させようとするケースも存在する。
適応規制とは、欲求を満たす障壁や困難に出会った時、それに対処する方法を働かせる心的機能の基本となる仕組み、あるいは適応への努力のことである。
適応規制は、危機を防ぐという意味で、防衛機制とも呼ばれる。主な防衛機制には、具体的に以下の12の例がある。
すなわち、①抑圧、②合理化、③補償、④代償、⑤置き換え、⑥反動形成、⑦投影、⑧同一視(もしくは同一化)、⑨退行、⑩逃避、⑪昇華、⑫攻撃、の12個である。以降順次述べて行く...