佛教大学通信教育部(精神保健福祉士)の合格レポートです。日々の勉強の参考としてご活用ください。
「地域福祉の基本的理念・概念をふまえた上で、地域福祉の担い手について考察しなさい。」
福祉の担い手を考察していくために、まず地域福祉の基本的概念・理念および構成要件を整理していく。
社会福祉の基本的理念を3つの視点から整理していく。
①地域生活保障の視点
現代の地域生活の基盤は非常にもろいものになっている。地域や産業の政策不備による過疎・過密化問題、地域格差、核家族化、少子高齢化問題、リストラや派遣切りによる雇用不安や失業問題など深刻な生活問題が山積みの状態になっている。
日本国憲法第25条の生存権保障や、14条の法の下の平等、13条の個人の尊重に則った施策が必要であり、こうした公的責任の下で住民に自由及び権利の保持責任(第12条)を実践していくことが求められているにもかかわらず、問題は後を絶たない。例えばホームレスや自殺の増加、保育所や学童保育そして特別養護老人ホームの待機者問題などが「健康で文化的な最低限度の生活」が実現されていないことを浮き彫りにしている。こうした問題は社会福祉政策が目指してきた「理念」によってみえてきた存在でもあり、これを正していくことこそが最も基本的...