考古学入門 旧教材 分冊1 (科目コード Q20400) 旧教材
発掘資料(出土遺物)の処理について述べなさい。
発掘資料の処理について以下に述べていく。
発掘資料の処理作業の工程は大別して、遺物の処理、遺物の実測、遺物の拓撮、遺物の写真撮影、保存管理に分けられ、行われる。これらの段階作業の結果、博物館などで一般公開される。
最初の段階である遺物の処理についての工程を大別すると、遺物の洗浄、遺物への注記遺物の接合と補修、遺物の科学処理に分けられる。遺物の洗浄作業では、基本的に水洗いだが、種類や状態に応じて対応するせんじょうほうほうが用いられ、資料価値を半減させないよう遺物の堅さに応じている道具を使い分ける。洗浄した遺物は目立たない部分、小範囲の部分に記入、写真撮影に写らない部分にラベルの記載事項を注記する。特殊なものに関しては、容器に注記される。その後、遺物の接合と補修作業を行う。出土遺物が完形で出土することは稀であり、普通は接着剤などによって破片をつなぎ合わせる。欠損部は石膏で補修し、着色する補修作業に入る。着色の段階では、着色部分と現存部分が認識できるようにする必要が...