日本文化研究

閲覧数2,874
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    資料紹介

    早稲田大学/社会科学部/講義「日本文化研究」 期末試験模範解答
    試験問題:福沢諭吉「文明論之概略」を読んでの考察
    A評価

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「一身にして二生を経るが如」(福澤諭吉『文明論之概略』)のもつ意義

     「一身にして二生を経るが如」とは福沢諭吉が著書『文明論之概略』(1875)の中の言葉である。福沢は1834年、大分県中津藩の武家出身で漢学を学んでいた。その後日本が欧米の危機に晒されはじめると福沢は3回の米欧経験を積み洋学を学ぶことを通して圧倒的欧米の力と制度の違いを実感した。1872年の著書『学問のすすめ』の中で福沢は、学問することは重要だが本を読むだけではなく、学んだ学問を実生活で利用しなければならないとしている。また、旧来の儒教的思想からも離れ、欧米的な個人・国家の「独立自尊」を説いている。このように福沢自身の中で前近代的な思想(漢学)から近代的な思想(洋学)への変化を見ることができる。『文明論之概略』ではこの変化がより強く書き出されている。福沢は文明の発展段階説で「野蛮から半開し開化する」と唱えている。福沢は西洋文明が必ずしも理想とは言えないが、「文明」というものに近づくために西洋化することを正当化した。これが「脱亜入欧」である。福沢は漢学を批判し啓蒙主義を基に脱亜入欧することで日本が文明化し国民国家を生成...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。