音楽は、乳幼児期から母親の子守唄などに既に触れており、生活の中でのコミュニケーションの際にも旋律に乗せて意思を伝えることもあり、私たちの身の回りに常に存在するものといえるほど、身近なものである。音楽科教育に関する目標として、学習指導要領では「表現及び観賞の活動を通して、音楽を愛好すする心情と音楽に対する感性を育てるとともに、音楽活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う」と記されている。これらのことから、歌唱と器楽について述べていく。
歌唱において、小学校の歌唱指導は、児童が生涯にわたり音楽と肯定的、かつ積極的にかかわるための土台作りという重要な役割を担っているとされる。その指導として、教師は児童たちに歌唱活動の楽しさや、喜びを与え、歌唱が児童の内面を成長させる活動となるよう指導をする必要がある。歌唱を児童が楽しいものと捉えるには、児童自ら積極的に歌唱活動に取り組むことであり、児童が歌いたくないと否定的ななか、教師は歌うことを強いないことである。そのため、児童が積極的に歌唱をできるよう、教師は日ごろから児童一人ひとりの歌声を尊重し、歌声を肯定的に受容することで、児童が教師に対して信...