I
物性物理学レポート
Ⅰ 物質を構成する原子の最外殻電子の四つの微視的性質の関係から物質の巨視的状態を
説明せよ。
最外殻電子の微視的性質には、遍歴性(共鳴輸送積分:T)、電子相関(クーロン相互作
用:U)、格子振動との結合(電子格子相互作用:S)、共鳴輸送積分と振動量子(:ω)の
大小関係がある。これら四つの性質の説明を挙げる。
遍歴性:ある時刻に電子がある原子の最外殻軌道内に存在していたとしても、一定の時間
を経た後は隣接した原子の最外殻軌道へと移動できる。つまり電子は出来るだけ
自由でいたいという性質を持つ。電子の運動のしやすさと捉えることが出来る。
電子相関:電子が最外殻軌道に2個ある場合と1個ある場合とのエネルギー差である。こ
の値が零でなければ、電子は相互に出来るだけ独立したくなる。
格子振動との結合:仮想的に一軌道内に完全に電子が一個存在した場合の軌道エネルギー
の事である。これが零でなければ、電子は相互に出来るだけ連帯する。
II
振動量子:格子の運動のしやすさと捉えることが出来る。
物質の巨視的状態は、上の四つの性質の対立の中に位置付けられてい...