物質が微細な粒子となって、液体や気体などに混合分散している状態をコロイドといい、前者(微粒子)を分散相または分散質、後者(液体や気体)を分散媒という。
分散相の粒子の大きさは、およそ10−7〜10−9m程度の粒子で、これをコロイド粒子という。
〔コロイドの定義の返遷〕
コロイドという言葉を初めて使ったのは、グレアム(英、1861年)である。彼は拡散の研究から、物質には水に溶けやすく、水中で拡散しやすいものと、水に溶けにくく、拡散しにくいものがあり、前者に属するものは、結晶性のものが多く、後者に属するものには、非結晶性のものが多いことから、前者を晶質、後者を膠質と名づけた。
その後グレアムは、拡散速度が小さく、透析されにくい物質を溶質とする溶液をコロイドと定義した。さらにオストワルドらの研究によって、晶質とコロイドの違いは物質の種類によるのではなく、物質の状態によることが明らかになり、分散状態という言葉が与えられるようになった。現在ではコロイドは、上記のような粒子の分散状態、または分散状態にある物質をいう。
〔コロイドの性質〕
コロイド粒子は、普通の分子やイオンに比べてはるかに大きく、一方、顕微鏡でも見えないくらい小さいという特殊な状態にあるため、次のような性質を示す。
○チンダル現象
砂糖水とデンプン水溶液を入れたビーカーに横から光を当てると、砂糖水は光の通路はわからないが、デンプン水溶液では、光の通っている部分が白く見え、光の通路がわかる。この現象をチンダル現象という。これはコロイド粒子はショ糖分子より大きいので、光が乱反射されるためである。なお昼間の空が明るく見えるのも大気中の細かい塵によるチンダル現象によるのである。
コロイドのまとめ
物質が微細な粒子となって、液体や気体などに混合分散している状態をコロイドといい、前者(微粒子)を分散相または分散質、後者(液体や気体)を分散媒という。
分散相の粒子の大きさは、およそ10-7~10-9m程度の粒子で、これをコロイド粒子という。
〔コロイドの定義の返遷〕
コロイドという言葉を初めて使ったのは、グレアム(英、1861年)である。彼は拡散の研究から、物質には水に溶けやすく、水中で拡散しやすいものと、水に溶けにくく、拡散しにくいものがあり、前者に属するものは、結晶性のものが多く、後者に属するものには、非結晶性のものが多いことから、前者を晶質、後者を膠質と名づけた。
その後グレアムは、拡散速度が小さく、透析されにくい物質を溶質とする溶液をコロイドと定義した。さらにオストワルドらの研究によって、晶質とコロイドの違いは物質の種類によるのではなく、物質の状態によることが明らかになり、分散状態という言葉が与えられるようになった。現在ではコロイドは、上記のような粒子の分散状態、または分散状態にある物質をいう。
〔コロイドの性質〕
コロイド粒子は、普通の分子やイオンに...