EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。またそれがもつジレンマとは何か。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。
【参考文献】
『ヨーロッパ統合と文化・民族問題』 人文書院 出版
西川 長夫・宮島 喬 著
教科書に忠実に書き上げていますので、参考にしやすいと思います。
EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。またそれがもつジレンマとは何か。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。
ヨーロッパの国々は政治、経済、司法などにおいて政策の統一や調整を進めている。ヨーロッパの統合とは、自由化の推進であり、モノ・ヒト・カネ・サービスが国境なく移動することが、人々の生活の質を向上させる。つまりヨーロッパ各国が強いつながりで、互いに無駄に争うことなく、最大の協力関係を築くという意味を持っている。
ヨーロッパでは歴史的にも戦争が絶えず、世界大戦も経験している。そのような各国が、お互いに認め合い国としてのアイデンティティや国民性を保ちながら、最大限の協力をするということは大変難しいことである。それは、日本が中国や韓国などアジア各国と十分な協力関係を築けていなことからも、ヨーロッパ統合の達成は偉業であることがわかる。EU統合は、平和の維持や確立に貢献しており、2012年には、EUに対してノーベル平和賞が授与されている。ノーベル賞委員会は「欧州の平和と調和、民主主義と人権の向上に60年以上にわたって貢献し...