トゥレット症候群について

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    資料紹介

    〈歴史〉
     トゥレット症候群の最初の記載は1825年にItardによってなされた。1885年にGilles de la Touretteが9例について詳細な記述を行ったので、その名をとってGilles de la Tourette症候群と命名された。コプロラリアが特徴的であり、ついには精神的荒廃に陥るとされていた。精神分析的解釈が行われた時期もあったが、1961年に抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬(抗精神病薬あるいは強力安定剤ともいう)であるハロペリドールが著効を示すことが発見されてから、薬物療法を初めとして各方面で研究が急速に進んだ。Shapiroらは器質的要因の可能性を示唆し、1978年にはトゥレット症候群の記述的定義を行った。この骨子は、現在のICD- 10やDSM-?の診断基準に引き継がれている。
    〈疫学〉
    発症頻度は1000〜2000人に1人と考えられ、男女比は3〜4:1と男性に多く見られる。
    〈症状と診断〉
     トゥレット症候群は、多様性の運動チックと1つ以上の音声チックが長期間に亘って続くチック障害である。
    一過性チック障害からトゥレット症候群までがチック障害としてまとめられているが、重症度に大きな開きがあり、連続性があるか否かについて議論がある。
     トゥレット症候群の発症の平均年齢は7歳前後とされ、ほとんどの例が14歳までに発症する。発症時の症状で最も多いものは、まばたきなどの目の運動チックであり、次が頭や顔の運動チックである。音声チックで発症する例はより少ない。運動チックは、頭部から始まってやがて手、さらに足へと広がっていくのが普通である。音声チックの出現は通常は運動チックよりも遅く、平均年齢は11歳くらいであり、たいていは咳払いや鼻ならしのような単純音声チックである。

     コプロラリアの出現は日本では稀とされていたが、少なからず認められることがわかってきた。コプロラリア出現の平均年齢は13〜14歳である。

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    精神科レポート   
    【トゥレット症候群について】
    〈歴史〉
     トゥレット症候群の最初の記載は1825年にItardによってなされた。1885年にGilles de la Touretteが9例について詳細な記述を行ったので、その名をとってGilles de la Tourette症候群と命名された。コプロラリアが特徴的であり、ついには精神的荒廃に陥るとされていた。精神分析的解釈が行われた時期もあったが、1961年に抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬(抗精神病薬あるいは強力安定剤ともいう)であるハロペリドールが著効を示すことが発見されてから、薬物療法を初めとして各方面で研究が急速に進んだ。Shapiroらは器質的要因の可能性を示唆し、1978年にはトゥレット症候群の記述的定義を行った。この骨子は、現在のICD- 10やDSM-Ⅳの診断基準に引き継がれている。
    〈疫学〉
    発症頻度は1000~2000人に1人と考えられ、男女比は3~4:1と男性に多く見られる。
    〈症状と診断〉
     トゥレット症候群は、多様性の運動チックと1つ以上の音声チックが長期間に亘って続くチック障害である。
    一過性チッ...

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