佛教大学 教育原論1
【第一設題】
ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ。
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ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ。
ソクラテスの教育観をもとに教育学的意義について述べる前に、ソクラテスについて簡潔に述べていこうと思う。
ソクラテスは古代ギリシャの哲学者で、前470年または469年にアテネで生まれたとされている。若い頃は自然研究にたいへん没頭しており、祖国のために生涯で三度にわたりペロポネソス戦争に従軍したのである。
アテネでソクラテスは活動し、対話的問答によって相手に無知であることを自覚させようとした(無知の知)手法はアテネ市民に受け入れられなかった。そして、「国家の信奉する神々を信奉せず、別の新奇な神霊を信奉し、かつ青年たちを腐敗させる」として裁判にかけられ、死刑の宣告を受けて刑死したのである。ソクラテスが死刑判決を受けた際に彼の弟子たちは、他国への亡命を勧めたのだが、「悪法も法なり」という有名な名言を残し、刑死を受け入れたのだった。
一方で、アテネではアテネ市民に弁論術や処世術を教えることで収入を得ていた「ソフィスト(職業教師)」が存在していた。それ以前の自然哲学者を対象とした自然に代わり人間に関心を示したが、ソフィストはあくまで絶対...