現代国際社会の形成と発展について述べよ
国際社会の形成として、代表的な考え方の一つにイマニュエル・ウォラーステインらの「近代世界システム論」がある。資本主義世界経済としての近代世界システムは15世紀の末から17世紀の初め頃にかけて北西ヨーロッパで成立し、しだいに拡大して、19世紀には地球全体を覆うようになった、というものである。西欧地域のダイナリズムが「中核」となり、東欧・ロシアは「半周縁」、アジア・アフリカなどは「周縁」と、近代世界の客体として理解されてきた。しかし、アンドレ・グンター・フランクらはこれを、ヨーロッパ中心主義として批判する。
フランクは、18世紀までのヨーロッパは、世界の他の地域より重要な地域でも進んだ地域でもなく、世界システムの「中心」であったとは言えないとし、むしろ、18世紀までの世界においては、アジアが占めた地位が極めて高かったと考えた。この見方は、近年広がりつつある。つまり、18世紀まで、西欧国際体制が機能していたのは、地球の一部分のみであり、他の地域には、それと異なる国際体制が確固として存在していたということである。
ところが、19世紀になって、この異なっ...