中央大学通信(2018・2017年度)【知的財産法】課題3

閲覧数4,605
ダウンロード数23
履歴確認

    • ページ数 : 11ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    知的財産権の保有者が、その権利の対象となるものを自ら譲渡した場合、対象物に特に変更を加える行為がなされない限り、権利者は、その譲受人が対象となるものを転々譲渡する行為には、知的財産権を行使することができないと解されている。そのための規定または解釈としてどのようなものがあるか、それぞれ比較しながら説明しなさい。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『知的財産法』(B27A)<課題3> 教科書執筆者:角田 政芳ほか
    1.知的財産権の用尽

     本設問は、〈各種知的財産権の用尽〉に関する問題である。用尽とは、〈用い尽くされた〉という意味であり、たとえば、正当に販売された特許品について、特許権は用い尽くされたとし、特許権者から正当に購入した特許製品を、再販売しても特許権侵害にならないという理論である。

    法律に明文規定はないが、特許権のみではなく、実用新案権、商標権、意匠権についても、用尽理論が適用されるとするのが一般的である。なお、著作権に関しては、支分権のうち譲渡権のみであるが条文で明示されている。

    以下、著作権と特許権における用尽理論を検討する。

    2.著作権の規定と解釈

    まず、条文がある著作権法から検討する。1999(平成11)年の著作権法改正により、映画の著作物以外の著作物全般に譲渡権を認めると同時に、著作権者または「その許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物」には譲渡権がもはや及ばないことを明らかにして用尽理論を肯定した(著作権法26条の2)。また、同法同条において、用尽理論が、裁定に基づき複製され譲...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。