課題 世界の経済格差問題が国際社会で認知され、先進国と発展途上国が開発協力に共同で取り組むようになった経緯とその展開過程、さらにその帰結について論じなさい。
19世紀末に世界経済が成立し国際分業が広まると、農業国や工業国への分化が起き、植民地は宗主国によりモノカルチャー経済へと転換されるケースが多く著しい特化が進展した。特にアフリカ大陸においては列強による領土分割によって、ほぼ強制的に資源の供給国としての役割を担わされていた。第二次大戦前は、宗主国による植民地経済自体の経済水準を引き上げようとするような積極的な指向をもった政策はあまりとられていなかったが、戦後、帝国主義の植民地体制の崩壊により、植民地が次々と政治的独立を達成していくなかで、改めて経済発展の遅れが注目されるようになった。1959年にイギリスの銀行家オリバー・フランクス郷が、当時の世界において冷戦下の東西対立と並んで先進国と発展途上国の経済発展格差が象徴する南北問題の重要性を主張した。南北問題とは発展途上国の経済開発と貿易に関連する諸問題を指す総称であり、北半球の温帯圏に大部分の国が集中する先進国と、その南の熱帯圏やその周辺に多くの国が存在する発展途上国との南北経済格差問題であり、一つ目の要因として、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)が挙げられる。GATTは先進国を中心と...