2006/11/13-14
実験題目:膵臓外分泌調節
実験者:windowsxp
共同実験者:Mac
目的
膵臓外分泌腺は消化酵素、酵素原および電解質液を分泌する。これら外分泌反応は生体内
では神経性および体液性の調節を受けている。本実習では消化管ホルモンにより引き起こ
される反応を観察し、膵臓外分泌機構の理解を深める。
腺房細胞において CCK もしくは
ACh 等に続くセカンドメッセンジャ
ーの細胞質
+2 Ca が消化酵素・酵素原、
電解質液(NaCl -rich)の分泌を刺激
する。消化酵素及び酵素原は
+2 Ca によ
り開口分泌される。電解質液の分泌は
次の通り。まず、基底外膜上の
+2 Ca 依
存性
+
K
チャネルと
+ Na -
+ -K Cl2 共
輸送体の共同作業により
- Cl が細胞内
に蓄積する。この
- Cl は管腔側膜上の
+2 Ca 依存性
- Cl チャネルを通って管
腔へ輸送される。
- Cl 輸送に伴う管腔
内の負電荷を中和するように
+ Na が
細胞間隙を通って管腔へ流入する。こ
れと同時に管腔内の浸透圧上昇に従っ
て水が管腔へ分泌される。
導管細胞はセクレチン等に続くセカ
ンドメッセンジャーのcAMPが電解質
液( 3 NaHCO -rich)の分泌を刺激す
る。まず、細胞内の炭酸ガスが炭酸脱
水酵素(CA)により
+
H
と
-
3 HCO に
なる。
+
H
は基底外膜上の
+
H
-
+ Na 交
換輸送で間隙液に移動し、
-
3 HCO は
-
3 HCO -
- Cl 交換輸送体により管腔へ
分泌される。この輸送は cAMP によっ
て増進されている。それは cAMP が
↑図 1-1 腺房細胞の膵液分泌機序
↓図 1-2 導管細胞の膵液分泌機序
基底外膜上の
+
K
チャネルと管腔側膜上の
- Cl チャネルを活性化することによる。
+
K
チャ
ネルを通って
+
K
が間隙液へ移動すると、細胞内
- Cl の電気化学勾配が増大し管腔への
- Cl の分泌が促進される。これが結局、
-
3 HCO -
- Cl 交換輸送体の駆動を増大させている。
また腺房細胞と同じ機序で
+ Na と水が管腔へ移動する。
先述したように、膵液の分泌は神経性と体液性の調節を受けており、本実習で扱う消化
管ホルモン(CCK、セクレチン)は体液性の調節因子であるが、体液性の調節は神経性の
調節より重要である。実習では両ホルモンの stock solution を使用するわけだが生理的分
泌刺激は CCK がL異性体のアミノ酸と脂肪酸であり小腸粘膜全体に分布するI細胞から
内分泌され、セクレチンが酸と長鎖脂肪酸であり十二指腸粘膜に分布するS細胞から内分
泌される。つまり両ホルモンはともに腸管に存在する細胞から内分泌され、その刺激は腸
管内の消化産物と pH 低下に由来する。CCK の作用は腺房細胞から多量の消化酵素を含む
膵液の分泌を促すことである。セクレチンの作用は導管細胞からの重炭酸塩の分泌を促す
ことで、これは十二指腸の酸を中和するのでセクレチンの分泌機構は負のフィードバック
と言える。セクレチンレセプターは腺房細胞にもわずかだが存在するため CCK の作用を増
強する。
膵液は食事等に伴う刺激がない空腹時にもわずかに分泌されている。その分泌量は最大
刺激時の 2~3%であり、消化酵素量は 10~15%であるらしい。
材料:ラット
試薬:生理食塩水、100 nM CCK 、10
2006/11/13-14
実験題目:膵臓外分泌調節
実験者:windowsxp
共同実験者:Mac
目的
膵臓外分泌腺は消化酵素、酵素原および電解質液を分泌する。これら外分泌反応は生体内
では神経性および体液性の調節を受けている。本実習では消化管ホルモンにより引き起こ
される反応を観察し、膵臓外分泌機構の理解を深める。
腺房細胞において CCK もしくは
ACh 等に続くセカンドメッセンジャ
ーの細胞質
+2 Ca が消化酵素・酵素原、
電解質液(NaCl -rich)の分泌を刺激
する。消化酵素及び酵素原は
+2 Ca によ
り開口分泌される。電解質液の分泌は
次の通り。まず、基底外膜上の
+2 Ca 依
存性
+
K
チャネルと
+ Na -
+ -K Cl2 共
輸送体の共同作業により
- Cl が細胞内
に蓄積する。この
- Cl は管腔側膜上の
+2 Ca 依存性
- Cl チャネルを通って管
腔へ輸送される。
- Cl 輸送に伴う管腔
内の負電荷を中和するように
+ Na が
細胞間隙を通って管腔へ流入する。こ
れと同時に管腔内の浸透圧上昇に従っ
て水が管腔へ...