M6702 仏教文学 第2設題のレポートです。B判定でした。
レポート作成の参考にしてください。
日本の唱導文学の源流となった、中国の唱導について述べよ。
まず初めに、唱導文学とはどのような文学を指し示す言葉であるのかということについて述べていきたいと思う。
唱導文学という言葉を始めて使った人物は、民俗学者の折口信夫という人物である。折口信夫は、著書の『折口信夫全集 四』(中央公論社)において唱導文学について概説しており、また、唱導に関する本格的な通史を試みたのは、永井義憲という人物である。永井義憲の、著書の『日本仏教文学』(塙書房)で、唱導の基本的な重要性はほとんど構築されたと言える。さらに近時、従来殆ど未解明であった平安の資料が発見、検討され、安居院を頂点とする唱導の実態が解明されつつある。一方説話文学研究においても、出典研究を通じて経典や、関連資料との比較検討が進み、現在ではかなりの部分が解明されるに至っている。
つまり、唱導文学というのは、知識・教養に乏しい庶民に、唱導そのものを説法するよりも、譬喩や因縁など説話の部分が親しみやすく、興味をわきやすい。そのため、唱導そのものを、知識・教養の乏しい庶民に教化するのではなく、唱導を文学化することによって、庶民にもわかりやすく...